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-柿渋-とは,ジャパンブラウンと呼ばれる日本固有の発酵文化です

柿渋の歴史から最終製品まで詳細解説
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柿と柿渋 柿渋の産地 柿渋の製造
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柿渋の歴史は勿論、原料となる柿の話から柿渋の種類・製造方法、使用用途・方法及び最終製品まで、出来るだけ詳しく且つ解り易く説明しております。

柿渋の歴史/産地/用途

 柿と柿渋

干し柿

柿は日本の文化

「柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺」  子規
「里古りて 柿の木持たぬ 家もなし」 芭蕉
「柿みのる 秋や日本の 秋ふかし」  南草
数々の俳句にも詠まれたように、柿は昔から我々日本人にとって馴染み深い果物です。
農家の庭先には必ずと言ってもよい程に柿の木が植わっており赤い実をつけた柿の木は日本の秋の風物詩の一つでした。又、「柿が赤くなると医者が青くなる」という諺がある様にビタミン豊富な健康食品でもあるのです。又、柿は日本を代表する果物で、KAKIは世界の共通語となっています。

時々、柿をパーシモンと訳した表現を見掛けますが、パーシモンはアメリカ原産の柿の木で、日本の柿とは全く別物であり、そもそもが、果実を食するためではなくて、木材用なんです。一時期、ゴルフ倶楽部のヘッド素材として人気でしたね。

少々話しがそれましたが、そんな柿から生まれたのが柿渋です。青い未熟の柿の実を搾汁し、発酵・熟成させたモノで、1300年の歴史を誇る日本固有の発酵文化です。



柿渋の歴史・産地

柿の木
柿渋は平安時代より様々な用途で日本の文化と日本人の生活を支えてきました。最盛期を迎えたの江戸時代には北海道と一部寒冷地を覗いて日本全国で製造される様になり、世界最大の都市だった江戸の町には柿渋を扱う渋屋が軒を並べていました。その後も第二次世界大戦までは様々な分野で活躍していましたが、戦後の急速な石油化学製品の発達により需要が激減し、衰退してゆきました。

歴史に残っている主な産地は下記の通りですが、特に岐阜の美濃渋、京都の山城渋、岡山の備前渋が三大渋と呼ばれたようです。

会津渋
福島県会津地方を中心に身不知柿を中心為摘果から製造され、会津漆器の下塗りなどに使用されていました。

越前越中渋
石川県の最勝柿や富山県の三社柿等を原料として製造されて、特に漁業関係や越前漆器・越中漆器の下塗りに使用されてきましたが、現在では完全に途絶えています。

赤山渋
埼玉県南部の川口市、浦和市、大宮市、岩槻市が接する大宮台地周辺で盛んに製造され、特に一大消費地であった江戸の町文化を支えたと言われています。

美濃揖斐渋
岐阜県の中・西濃地区にあたる揖斐・伊自良地区で製造され、特に伊勢型紙に多く用いられていました。

山城渋
天王柿、鶴の子柿などを原料として盛んに製造され、京文化や灘の清酒醸造にも貢献してきました。現在では全国の生産量の殆どを占めています。

備後渋
最盛期には200軒余りの柿渋屋が存在したと言われています。漁網などに多く利用されましたが、船体の塗料とか帆の染料にも用いられ、かの有名な村上水軍の活躍を陰で支えたと言われています。又、日本初のマスクと言われている石見銀山の柿渋染めマスク福面にも使用されたものと推測されます。

柿渋の使い方(用途

柿渋一閑張りと五感張り
昔から庶民の暮らしの中の様々なシーンで使用されてきましたが、現在一般的に個人ユースされているのは次の3つです。


1)塗料
塗料として家の柱、樽や桶、床等に盛ん為使用されてきましたが、今でも建築資材として広く利用されています。特にシックハウス症候群に効果があるとされ、内装に利用されています。
その他、昔からの漆器の下塗りの他、家具、食器にも利用されています。

詳しくは塗料としての柿渋のページをご覧下さい。

2)染料
染料として使用された歴史も古く、特に庶民の衣服染色することに利用されました。今では染色家によって独特な色の世界が展開されていますが、綿染めから製品染めまで工業製品化されつつあります。

詳しくは染料としての柿渋のページをご覧下さい。


3)和紙(一閑張り)
和紙の強度が増すために盛んに利用されてきました。
京友禅や小紋安どの糊置き職人が防染作業に使用する糊筒や型染めに使用される型紙が各地の伝統産業を支えてきましたし、番傘や団扇などにも利用されてきました。今では一閑張りが有名です。

詳しくは一閑張りのページをご覧下さい。
  

その他の用途としましては、
4)清澄剤(清酒等の醸造)
柿渋の主成分のカキタンニンがタンパク質と結合するという性質を利用して清酒、みりん等の濁りをとる清澄剤〈澱下げ剤)として広く使用されています。
一般的では無いのであまり知られていませんが、柿渋の用途としては一番です。

5)清酒の醸造(酒袋)
同じ清酒繋がりで言えば、醸造で醪を搾るのに柿渋で染めた木綿の袋が使用されました。毎年、この袋を染めるところから杜氏の仕事が始まったと言われていて、それを何年も繰り返し繰り返し使用する間に独特の風合いになった物が酒袋(さかぶくろ)として有名です。しかし今では殆どが機械化され、この袋が使用されることが無くなりましたが、地方の拘りの造り酒屋で再現されたというニュースを目にするようになりました。又、酒袋は、かばん等の材料として根強い人気があり、茶色のダイヤと呼ばれた時期もありました。

6)漁業(釣り糸・投網)
木綿糸を柿渋で染めると強度が増し、防水効果があることから漁網や釣り糸に使用されました。又、収斂作用を利用して毒流し漁も行なわれました。

7)海運
防水補強目的で木造船の船体に利用され、又、帆にも利用され、強靭な帆布が風を一杯に受けて運航を支えました。かの有名な北前船の繁栄も柿渋に支えられたのでしょうね。又、歴史を動かしてきた勇猛な村上水軍の活躍の影でも柿渋が活躍したわけです。

8)民間薬
火傷、しもやけ、下痢止め等に効果があるとして利用された歴史があります。

9)防虫
柿渋で染色したり塗装を行うとカキタンニンが強固な被膜を張って表面を保護するために衣類や紙に着く害虫から守るために使用されました。又、木材に塗布して防蟻剤的に利用されました。この防虫効果という言葉が独り歩きして、蚊やハエ、ゴキブリ等にも効果があると誤解されているのが気になるところです。
又、防カビ効果も期待出来ません。



柿渋の作り方(製造法)と種類

柿渋の作り方(製造方法)
ここでは昔ながらの伝統的な自然発酵製法について説明しています。
  柿の実の摘果→洗浄→搾汁→発酵→殺菌→熟成


渋柿の実

①柿の実の摘果・収穫

未だ未熟の青い渋柿の実を摘果する事から始まります。



柿渋搾汁工程

②柿の実の洗浄・搾汁

摘果された柿の実を洗浄して機械にかけて搾汁します。




柿渋搾汁液
搾りたては青くてフルーティな香りがします。




     
柿渋貯蔵タンク

③発酵・熟成

タンクに入れて発酵/熟成されます。柿渋製造のカギは発酵工程にあります。



      

発酵・熟成について

柿渋で一番大事なのが発酵です。元々が植物は全てタンニン質を持っていますが、その中でも一番の高分子がカキタンニンと言われています。その柿タンニンが発酵により更に高分子化して、よりパワーアップするのです。自然発酵ですので、気温など気候にお菊左右左右されますので、如何に上手く発酵させるかが柿渋の命です。

発酵により高分子化したカキタンニンの分子構造が安定するまで熟成させてやる必要がありますが、発酵が終わって2~3カ月もすれば安定しますので、それ以上の熟成はあまり意味がありません。そもそもが柿の実が未熟の時期に一度に造り込み保存するわけですから、結果、熟成させることになるだけです。


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柿渋の種類

柿渋液
柿渋として市販されているものは、その製造法から何種類かに分類することができます。


① 本格柿渋(自然発酵製法)
昔ながらの伝統的な製法で、搾汁で出来た果汁を支援発酵熟成させる為、発酵段階で発生した有機酸系の低分子物質が混ざり合って独特の悪臭を放ち、柿タンニンの分子の大きさもバラバラで、品質の安定性に欠ける。

② ①のタイプを精製した無臭タイプ
臭いの元となる有機酸系物質を取り除き無臭とするとと共に、低分子のカキタンニンも取り除くので、高分子が揃った品質の安定したモノになる。

③ ①に化学物質など加えて臭いを抑えた物
アルカリ系物質を加えることにより、臭いの元となる有機酸系物質を中和させて臭いを抑えようとするモノ。。

④ 酵母菌発酵製法
酵母菌を加えて強制的に発酵させ、発酵時間を短く抑えることにより有機酸系の発生量を少なくして臭いを抑えたタイプで、無異臭タイプと呼ばれています。

⑤ 発酵させないタイプ
果汁を発酵させないで、特殊な製法で低分子のカキタンニンを取り除き、高分子だけを残したタイプ。発酵させないので無臭であるが、発酵させないものが柿渋と呼ばれるのか?甚だ疑問が残るところです。

⑥ 弁柄など顔料で着色したタイプ
柿渋は茶系色だけなので、顔料などを混ぜてカラー展開されたタイプ。

⑦ 化学塗料に微量のカキタンニンを加えたタイプ
カラフルな柿渋はこのタイプで、中には無色のタイプも販売されていますので、惑わされている消費者の方もおられるのではないでしょうか?

⑧ 染料化されたタイプ
化学処理され染料化されたタイプで、一般の草木染の染料と同じ様に、熱と助剤を加えて使用するタイプ。特徴は風合いが硬くならない事ですが、塗ったり浸したりという一般的な仕様法では発色しませんので注意が必要です。

⑨本粋柿渋
①の昔ながらの自然発酵製法で造られた本格柿渋で、尚且つ添加物など一切含まない純粋な柿渋を本粋柿渋と命名しています。

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柿渋の効果・効能

柿渋の特性

1)柿渋の発色
  濃度と塗布・染色回数と経時変化で色合いが変わってゆきます。

柿渋色見本1
柿渋色見本2 柿渋色見本3


2)柿渋の色
基本的にはブラウン・茶系色ぼみです。カキタンニンが酸化して徐々に発色しますが、特に紫外線によって酸化が促進されますので、発色が速くなりますので、染色マニアの間では染色後に直射日光に当てると言うのはこの理屈です。

3)色対応
他の素材を使用して、その色合いを変化させる方法があります。
①媒染材
a)鉄媒染
b)チタン媒染
C)アルカリ処理

②顔料

詳しくは塗料としての柿渋のページをご覧下さい。


4)風合い
カキタンニンが表面に皮膜を張るのが特性ですので塗料として使用した場合には補強材とか防水効果が期待できるわけですが、染料として使用した場合には布の風合いが硬なります。

5)柿渋の臭いと無臭柿渋
発酵工程で発生する不純物の有機酸系物資が臭いの元であり、主成分のカキタンニン自体は 無臭ですので、特殊製法で低分子を追い出し、高分子を残すことで無臭柿渋が誕生しました。

効果・効能(カキタンニンの力

ここ数年来、柿渋の効果効能が注目を集めていましたが、新型コロナウイルス禍で一気に爆発した感じですが、柿渋の効能=カキタンニンの力ということになります。
そもそも全ての植物は生命維持の為に、大なり小なりタンニン質をもっているのですが、その中でも最強と言われるカキタンニンが発酵により更に高分子化して、よりパワーアップされるという事です。

殺菌ではない整菌作用により、抗菌防臭、消臭効果が認めれ、更には収斂作用によってタンパクと結合して変質させて収縮させる作用が働きます。
コロナウイルスの不活性化に効果があるといわれるのは、ウイルスのタンパク質に結合して、ウイルスの活動を抑える為に効果が実証されているという事です。

    
  
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柿渋でSDGs始まってます

柿渋一閑張りと五感張り
昔から地球環境問題の優等生の柿渋。
カキノミクスの実現により、地球温暖化対策、カーボンニュートラル、循環型社会の実現、脱プラ、減プラゴミ問題等々、柿渋でSDGsの推進が期待されます。

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参考文献

柿渋の力    京都府山城郷土資料館

柿の民俗誌  今井敬潤著

柿渋     今井敬潤著

健康食 柿  傍島善次著

柿の話    岐阜県本巣市糸貫町富裕柿センター

柿渋クラフト 寺田昌道著

発酵     小泉武夫著

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 柿渋プラネット最新情報


2021年11月15日大幅リニューアル
2021年11月25日更新
2021年12月05日更新
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