柿渋石鹸御殿が建った?!
柿渋石鹸ネタをもう一つ。柿渋石鹸が始めて登場したのは10年目ぐらい前でしょうか?丁度マスコミで加齢臭が話題になった頃で、その加齢臭に効果があるという触れ込みでヒット商品となり次々に新商品が登場して、アッという間に100円ショップに並ぶようになりました。最初は確か1000円を超えていたと思いますので、先発組は笑いが止まらなかったでしょうね。全国に柿渋石鹸御殿が何軒も建ったという噂も流れました。
柿渋は抜けません(柿の渋抜き)
「地元の小学生達が柿渋抜きを体験しました」の新聞記事を目にしてびっくりしました。柿渋は抜けませんから、抜くのは柿の渋です。渋柿の渋抜き体験と表現して貰わないと困ります。しかもこれが所謂5大紙ですからね、思わず笑っちゃいましたね。渋柿が渋いのはカキタンニンが口の中で溶け出すからです。渋抜きとは、そのカキタンニンを不溶化させる行為で、干し柿にしたり、アンモニアガスを使うのが一般的です。
柿渋と大相撲(明荷)
柿渋は大相撲の世界でも裏方として活躍している可能性が在ります。それは明荷に使われているとの説もあるからです。明荷とは化粧まわし等身の回り品を入れて持ち運ぶ行李の事で、関取以上が持つことを許されている物です。竹で編んだカゴに和紙を張り合わせて漆で仕上げた漆工芸品で一閑張りの一種ですね。これに柿渋が使用されているとの情報もあります。元々、漆が高級品でしたから、漆器の産地によっては漆の下塗りに柿渋が使用されいましたから、その可能性は十分にありますね。案外、一貫張りの語源はここにあるかもしれませんね。
日本相撲協会HP参照 ウィキペディア参照
柿渋の三大産地
日本には色々 な三大○○がありますが、柿渋にもありました。柿渋の三大産地と言われていました。広く現在の都道府県で言えば、京都府、岐阜県、広島県です。京都は山城地区の山城柿渋、岐阜県は美濃地方の美濃渋、及び広島県東部の備後地区の備後渋です。現在でも柿渋が造られているのは、略、この地域だけです。
特に、京都の南山城地区にある専業メーカー3社の寡占状況にあり、一部は岐阜揖斐池田町にある2社の兼業メーカーでも伝統を守って継続されています。備後柿渋は完全に途絶えていましたが、最近、尾道で製造が復活しました。
済州島の柿渋染め
「済州島にいってきましたの。お土産に柿渋染め、珍しいでしょ」
「いえいえ、柿渋染めは日本にもありますよ、というか柿渋染めは日本の文化ですよ」こんな会話が交わされた時期がありました。いや、今もあるかもしれんが、2003年の冬ソナタから韓流ブームで火がついた頃は、日本でもまだ柿渋染めの認知度は余りありませんでしたので、柿渋染めをご存じなかった方が、これは珍しいということで、お土産に選ばれたようです。確かに韓国、特に済州島には柿渋染め的な文化はありますが、これは、正確に言えば、柿の渋染めと言われるの物です。毎年夏のシーズン中に限って青柿の搾りたての果汁を使用するもので、発酵させる事はありません。ですから発酵させない分、カキタンニンのパワーが弱いので、何回も何回も重ね染めして、強い直射日光に当てて、発色させる手法です。日本でも、青柿染めとして行われています。そもそも、韓国語に「柿渋」という言葉は存在しないと思います。
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